長く履けてコスパの良い靴は無いかなといろいろと検討して買ったシェットランドフォックスのインバネス。履き始めて一年以上経過して、大分馴染んできたので、国産の革靴を検討している人の参考になれば良いなということで、レビューしてみる。
検討した際の条件は、以下の通り。
①予算は4万ぐらいまで。
②自分の足型に合うこと。
③可能な限りアッパーの革質が良く、育てながら長く履けること。
④デザインは、ストレートチップで、レザーソール。
予算4万円というのは、サラリーマンのワタシにとって、買いやすい値段の上限値。日常履きで、ガンガン履くことを想定してたので、雨降ったらどうしようとか考えることなく気楽に履けて、なおかつ品質としては最高峰を狙える価格というとこの辺りになると思う。
そして、今回はデザインとかブランドとか気にしないで、とにかく自分の足に合う靴を選ぼうと考えていた。というのも、毎日、革靴を履くようになって、やはり見た目よりも何よりも履き心地がよく、足への負担がなるべく少ないものを購入したいという気持ちが強くなったから。たまに履く程度なら、デザイン優先で選べばいいかもしれないけど、スニーカーに比べてサイジングがシビアな革靴だから、一度、足型重視で革靴を買ってみたかった。
足型重視となると店員さんに相談するのが手っ取り早い。ということで、なるべく多くの選択肢から選べるように取扱種類が多い阪急メンズ館の靴コーナーへ。
検討していた条件で、とにかく自分の足型に合う靴を探していますとお伝えすると、早速、ワタシの足型を見定めてくれた。ワタシの足型は甲がうすく、幅が広めな平べったい足とのこと。そして、選んでいただいたのが、購入したシェットランドフォックスとユニオンインペリアルの靴。予算4万円で、品質優先となると、やはり国産になるようだ。
初めに出して頂いたのが、ユニオンインペリアルのストレートチップ。このブランドは、雰囲気としては英国靴のチャーチに似ていて、色気があってたいへん良い感じ。甲がかなり低く抑えられているので、ワタシの足型にもフィットしたのだけど、もしかしたら長く歩くと甲が低過ぎて、指を噛まれそうな感じだった。
次に出して頂いたのが、購入したシェットランドフォックスのインバネスというモデル。ユニオンインペリアルほどではないが、この靴も甲が低く抑えられている。こちらは指を噛まれることもなさそう。雰囲気は、どちらかといえばトリッカーズに似てる感じでしょうか。全体のバランスもよく飽きずに履ける控えめなデザイン。とにかく、ガッシリしたは着心地で長く履けそうな質実剛健さがある。アッパーの革はフランスのアノネイ社のボカルーで、革質としては最高峰。クリームを入れながら、何度か磨いてやれば良い感じに育ってくれそうです。唯一、気になったのは、トウにかけての反り上がりがキツすぎること。硬くしっかりしたソールで、最初は反り返りがかなり悪いので、それでも歩きやすいようにという配慮かも知れませんが、デザイン的にはいただけません。
どちらにしようか迷いましたが、とにかく頑丈そうで長く履けそうなシェットランドフォックスを買うことにしました。
単品で見ると、非常にバランスの取れたデザイン。少しトウがポッコリしていて、変にシャープ過ぎず何にでも合わせやすい。
サイドから見たところ。トウにかけての反り上がりが大きのがわかると思います。
内側。このシェットランドフォックスの特徴の一つにロングカウンターがある。通常の靴であれば、カカト部分にしか入っていない芯材が土踏まず付近まで伸びているというもので、こいつのおかげで足裏をしっかり掴まれているようなホールド感が得られ、ガッシリしたは着心地になる。
ステッチは、流石の一言。国産らしく非常に細かく正確なステッチで、クロケット&ジョーンズより、よっぽど綺麗。この価格でこの品質は本当に凄いと思う。コバの張り出しも、極端に大きいということはないけど、しっかりあって足元に安定感を出してくれます。
履き始めは、とにかくソールが固くて最悪の履き心地でしたが、一年以上たった今は、ソールの返りも改善されて大分良くなりました。本当にガッシリした頑強な靴なので、まだまだ馴染んでいって、履き心地は改善されていきそうです。
間違いなく10年以上履ける頑強さがあり、アノネイ社の革を育てる楽しみも味わえる靴だと思うので、そう考えれば4万円台中盤という価格は安くも感じます。決して安い靴とは言いませんが、間違いなくコスパは良いかと。これから高級靴を始めようという方には、最良の靴だと思います。
<追記>
購入から2年がたったので、経年変化についても書いてみました。ご参考まで。